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新すばせか 英語版ヨシュアやばいって話

タイトルのまんま。後半は英語版ヨシュアやばいって話ばっかりしてます。

※新すばせかのネタバレしかありません。注意してください。
あとKHⅢのエピローグの話もちょっとしてるので未クリアの人は気を付けてください。




トロコンしたしULTIMATEレベル1で裏ボスも倒したしあと何しよっかなーってなってた時に、ふと思い立って音声英語にしてスマホの文字起こしアプリで読み取り→翻訳サイトに突っ込むっていうのをやっていたら桐生義弥のセリフに新たな発見がありすぎて盛大に被弾した。

ただ、私は英語全然ダメな人間であくまで翻訳サイト頼りのガバガバ解釈なので細かいニュアンスは間違ってるかもしれない。

www.gamespark.jp

新すばせかの英語セリフに関してはこんな記事も出てました。英語版だとナギとフレットの距離感が違うっていうのめっちゃ面白かった。


さて、英語版ヨシュアのセリフを集めるために最終日をやり直したときにまずびっくりしたのは「聴いてて誰が喋ってるのか全然わからん」てこと。主にバトルで。
本編における最終的なツイスターズメンバーは男四人女二人だけど、もうバトルだと誰が何喋ってるのか全く分からん。特に男性陣。

新すばせかはターン制のバトルでもないし、その上六人同時操作だから全員の声が入り乱れるじゃないですか。誰が何喋ってるかなんて聴き取れるわけなかった。

でも、英語だから言ってる内容は分からなくても、声で誰が発言してるかくらいはわかりそうなものなのになんで分からないんですかね……?同じ六人同時操作してても、日本語版なら誰が何喋ってるかなんて意識しなくても声ですぐわかるのに。私が英語に馴染みがないからできないだけで、普段から英語を聞き慣れてる人なら海外の声優さんの声の聞き分けも出来るもんなんだろうか。

と思いきや、KHⅢのエピローグでXⅢ機関のシグバール(CV大塚芳忠さん)がルシュだったと判明するシーンがあるんですよ。そのムービー、最初はシグバールの声だけで始まって、黒コートのフードを外す→その顔はシグバールだった!ってなるやつなんだけど、日本語版ならムービー始まって大塚芳忠さんの声が聴こえた時点ですぐ「シグバールだな」って分かるんですよね。でもそのムービーの英語版で「海外の反応」みたいな動画を見てみると、フードを取ってシグバールの顔が出たときにめちゃくちゃびっくりする、みたいな感じ。
そういうの見るとやっぱり英語圏で生活してる人でも、声だけで誰なのか判断するってのは実は難しかったりするのかなあ…?

逆にそれだけ日本の声優さんたちの声がそれぞれ特色が強いってことなんでしょうかね?なんかそういうの面白い。

声といえば、「リンドウの声優さんが内田さんになったのはその声にどことなくネクを感じるから」っていう野村さんのインタビューもあったなぁそういえば。

s.famitsu.com




前置きが長くなりすぎた。ヨシュアの話します。

新すばせかでヨシュアが最初に喋るのは、ネクがオールリマインド作戦に苦戦しているシーン。(登場という意味でなら、一番最初に出てくるのはリンドウの落としたバッジを拾うシーンだけど)

いや、声たっっか!!?!?!

これめちゃくちゃびっくりした。英語版ヨシュア、すごい声高い。日本語版の木村良平さんの声のトーンと全然違う。むしろ良平さんのヨシュアはすばせか→新すばせかの三年間を経て声が低くなってたのでなおさらびっくりした。下手したら男性キャラの中で一番高いんじゃね?ってくらい高いと思った。えいるのお株を奪うんじゃないよ


で、英語版ヨシュアのセリフに関してなんですけど、ものすごい衝撃を受けたセリフが二か所あって。まず一つ目。

初めてリンドウとショウカに名乗る登場のシーンの「悲しいことを言うね」。
このシーンはショウカが消滅の運命を受け入れて、リンドウに別れを告げかけていたのをヨシュアが遮るんですけど、その英語版のセリフがこれ。


Parting is such sweet sorrow.


いやこれ…あのさあ…
このセリフを調べてみたら、とある超有名作品の有名なセリフで本当に驚いたんですけど、ご存じでしょうか……


その作品とは、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」。


桐生義弥、シェイクスピアの、しかもロミジュリからの引用を口にする男だった.....めっちゃ好きです.....

このことについて英語に詳しい友人に「英語圏では会話の中でシェイクスピアを引用するのって割と普通のことなの?」って聞いたら「ドラマでは見たことあるけど現実でそんな気取ったことするやつはいない」って返ってきて頭抱えた。


このセリフの定番の和訳は「別れはこんなにも甘く切ない」だそうです。
日本語の「悲しいことを言うね」とはだいぶ意味合いというかニュアンスが違うなーと思ったので、ヨシュアがどうしてここでこのセリフを引用したのか、その意図が知りたくてざっくりだけど調べてみた。

ロミオとジュリエット」のこのセリフは、ジュリエットがロミオにおやすみの挨拶とともに伝えた別れの言葉だそう。ただ、このシーンの「別れ」とは今生の別れではなく、夜が明けたらまたすぐに会えるという恋の喜びも含まれているらしい。

そう、今生の別れの言葉ではないんですよ、このセリフ。

でも、新すばせかのリンドウとショウカは違うよね?この時点ではもうショウカは消滅を受け入れていて、「いっしょに戦えて、私――」の後にはリンドウに向けて最期の別れの言葉が続くはずで、二人にとってはここが永遠の別れになるはずだったよね?

じゃあどうしてヨシュアは一時の別れのセリフを口にしたんだろうって考えて、ヨシュアがあの時二人の前に現れた本当の目的にその答えがあるんじゃないかと思い当たった。

シークレットレポートに記載がある通り、ヨシュアがリンドウとショウカの前に現れた本当の目的は「代理人の務めを果たして渋谷を守り切ったリンドウへのお礼として、消滅が確定していたショウカを救いRGへ転生させること」。

つまり、あの場にいた三人の中でヨシュアだけが、「ここでのリンドウとショウカの別れが永遠の別れにはならない(自分が救済するから)」ことをわかっていたからこそ「永遠の別れではない(夜が明ければまたすぐに会える)別れの言葉」である「Parting is such sweet sorrow.」を口にしたのでは……。

しかも、このセリフにはロミオとジュリエットの甘い恋の喜びも含まれていることを考えると、ヨシュアはリンドウとショウカがお互いを大切に想っていることも分かった上でこのセリフを選んだってことですよね……?

いやわかんないけど!私が勝手にそう解釈しただけなので本当にそうなのかどうかは分からないけど!!でも、もし本当にそういう意図だとしたらヨシュアの(というかシナリオライターさんの)言葉選びめちゃくちゃ粋というか、今風に言うならめちゃくちゃエモくないですか!?

渋谷という区画だけとはいえ、コンポーザーという実質的な神様とも言える存在に縁を結び直されたリンドウとショウカ、ものすごい二人だな.....


衝撃的だった英語版ヨシュアのセリフ、二つ目。

これは新すばせか感想の記事でも結構書いちゃったので繰り返しになってしまうんですが、シークレットレポートコンプ後に見られる追加シーンである104の屋上でのヨシュアハヅキの会話の最後のセリフ。

まず、日本語版のセリフは


僕は彼らを見ていていつも思うよ
なぜわざわざ不条理を乗り越えようとするのか——
とても興味深い、とね


で、このセリフの英語版は


I can't say for sure but one thing I've noticed is that every time I watch them try to overcome the absurdity of their world.
I just can't help but hope they succeed.


これを訳すと


確かなことは言えないけど、一つ気付いたことは、彼らが自分たちの世界の不条理さを克服しようとするのを見るたびに、彼らが成功することを願わずにはいられない


あの、これ……本当に……すごくないですか……?
特に後半の「彼らが成功することを願わずにはいられない」のところ。

I can't help but~ の部分が「~せずにはいられない」という表現にあたるらしいんですけど、調べてたら「何かの状況に対して、どんなに頑張って、違う反応をしようと思っても、自分ではそれを避けたり、抑えたりできない時に使うフレーズ」ってでてきて、また頭を抱える羽目になった。ヨシュア……

すばせかでのゲーム終了から新すばせかまでの三年間上からの渋谷浄化の意見を突っぱねてたことといい、ヨシュアの中での渋谷というかそこに住まう人たちというか、下位次元に対する気持ちの変化がこのセリフにこれでもかというほど詰まってると思った。すごいな英語版……

新すばせかのヨシュアの英語のセリフは全部集めて翻訳するだけしたはずなんですけど、正直この二つの衝撃が大きすぎて他のセリフのこと何も思い出せない。

それと、ヨシュアがリンドウの落としたバッジを拾った後の声がなくてテキストだけのセリフだったあれ(「始まったね」のやつ)、あれも個人的にはヨシュアのセリフのような気がしてるけど、音声が無いので英語の確認のしようがなかった。英語なら一人称とかで何か情報が得られると思ったけど.....残念。


英語版、機会があればすばせかの方も英語版買っていろんなセリフを調べてみたいな~と思うくらいには楽しかった。
日本語版を例えセリフを覚えちゃうくらいやりこんでいても、言語が変わるだけでこんなに新たな発見があるとは思ってなかった。言葉って面白くて深いんだなあ……