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映画カラマリすっごく良かった【劇場版Collar×Malice -deep cover-感想】

劇場版Collar×Malice -deep cover-総評:
拾和ミツル√ 悲恋エンド(後日談小冊子&メッセージカード付き)だコレ……(呆然)

※ 劇場版Collar×Malice -deep cover-前後編 及び原作ゲーム Collar×Malice(Unlimited含む)のネタバレしかないです注意


ハイ。
ちょっとあの、劇場版Collar×Maliceが期待してた以上に良すぎたので吐き出すことにしました。まさかこんなに映画カラマリが刺さるとは私も思ってませんでした。ゲーム原作のアニメなので原作の話もめっちゃ書いてて半分ゲーム感想みたいになっちゃってすんごい長いです。

カラマリに関してはもう完全に森田さんの声目当てで柳さんに目をつけて、最初はマジで柳さん以外興味なかったんですけどいざプレイし始めたら柳√ガッチガチに攻略制限ついてて(柳さん以外の4人全員クリアしないと柳√に入れない)、必然的に他の4人の√やらざるを得なくてプレイしてたら元々好きな雰囲気だったのもあり超面白くてやってるうちにサブキャラも黒幕も含めて全員の事めっちゃ好きになってたすごいゲームです。一番好きなのはずっと変わらず柳さんなんだけど。

初めてプレイしたとき、柳√解放演出最高すぎて震えた記憶ある。一人クリアするごとに画面に銃弾が撃ち込まれていって、4人目クリアで4発目が撃ち込まれたと同時にガラスが割れてその奥から柳さんが出てくるやつ。

あれ一回しか見られないのめっちゃもったいないよあんなにかっこいいのに!!!!!

感想

ストーリー(というか主に拾和さんの話)

正直言うと、アニメ化するって発表された時に「これ普通にゲームのシナリオをアニメにするんならほぼ確実に柳√だろうけどもしそうなったら絶対に観られないやつだな……」って思ってたんですよね。でも実際はそうじゃなかったのがほんと良かった。柳さんとの恋愛ルートアニメでやられたら絶対に心折れてた。たすかった。

とか何とか言ってたら、最終週の前説でガッツリ刺されてしんどくなったわけですけど……まあそういう需要があるのも分かってるし後編前説の組み合わせが発表された時点で嫌な予感がしていたので覚悟もしてました。でも辛いもんは辛い~~~すみませんこれは完全にnot for meだったってだけの話です。ただもうこの前説あるのわかってて最終週映画周回するのはちょっとどうしても無理だった。ごめん

ていうのは、まあ単純に柳さんのことを私がすごい好きだからっていうのも勿論あるんですけど、もっと大きな理由として「アニメ化によってゲームで触れてきた物語の当事者でいられなくなるのが寂しくて寂しくて嫌だから」ていうのが一番でかい。

基本的にわたし乙女ゲーム恋愛ゲームであろうとRPGであろうとアクションだろうとなんだろうと、ゲームするときは主人公が無個性であってもそうじゃなくてもめちゃくちゃ自己投影するタイプのゲーマーなので、それが映像化されたときに操作してた主人公の中から、プレイして触れていた物語の中から「自分」がはじき出されるのすごい寂しくなっちゃうんですよね。置いて行かれた気持ちになってしまう。
ほんとめんどせーファンだなって自分でも思うけど、子供のころからずっとそうやってゲームしてたからもうどうしようもなくて……。笑

ゲームって、主人公(に限らず自分が操作するキャラクター)を通して選択肢や戦い方とかで物語に深く自分が介入できるところが大きな魅力の一つだと思っているので、そこはもう変えられないんですよねえ……。

だから、今回の映画カラマリのストーリーが「ゲームには無いストーリー」だったのはほんと良かったな……って。

あと市香の声がイメージ通りですご~~~!!となりました。ゲームやっててああいう声だろうなと思ってたらそれがそのまま出てきた。すごい。びっくりした時の声がガチのびっくり声で好き。笑

もしまたアニメやるってなったとしたら観たいのはアドニス編です。菅原さんとハナとのファッションショーとか緒方・三条との飲み会とか宇野兄妹とのやりとりとか……うんめっちゃ観たい。

それから、舞台挨拶の時に市香役の本渡さんが「市香はプレイヤーである皆さんなので!」っていう部分を何度も言葉にしてくださっていたのが、ゲームに感情移入・自己投影しまくるタイプの私には本当に有難かったし、嬉しかったです。市香役が本渡さんで良かった。

そういった意味で映画カラマリ、「ゲームには無いストーリー」なので映画見てて「プレイヤー(私)の分身ではない星野市香」が動いてしゃべっててもそんなに疎外感が無い。全く無いとまでは言えないけど、それでもこの事件原作ゲームに無いから知らないし、初めましてだから疎外感を感じにくい。

その上、「プレイヤー(私)の分身ではない星野市香」の柳さんに対する感情も映画本編の中ではあくまで「綺麗な憧れ」止まり……???かな????ぐらいだったので、まあ、うん。うーん……。(最終週の前説を引きずっている)

柳さんからの感情も、「ゲームで柳√以外に行った時の柳さん」をベースに、一匙分くらい柳√の柳さん成分を足してる感じというか、これ柳√土台っぽいけど柳√かって聞かれると割とそうでもないな……??くらいの塩梅だったので良かった。映画カラマリ、自己投影派プレイヤーにもやさしい(最終週の前説以外は)

で、ですよ。
映画の話するにあたってこの人の話しないわけにはいかんのでしますけど、

拾和ミツル……早く攻略対象になれ……。

も〜~〜〜なんなんだコイツ!!!!
前編の初登場時の初手壁ドンでもうだいぶ好きでした。壁ドンておまえ。平成全盛期の少女漫画感……いやまあカラマリは一応平成の乙女ゲーですけど…………(好き)

まあ???映画だけのキャラって時点で???十中八九犯人だろうし最後死ぬだろうなってのも分かってましたよ。劇場版コナン限定の黒の組織メンバーの法則。

でも、分かってたのに初めて後編見た時その最期にちょっと呆然としちゃって、涙も出なかった。

柳さんが自分に向けて銃を撃ったシーン以降、ずっと穏やかな笑みを浮かべてる拾和さん……護送中のパトカーの中で自害を勧められて差し出された銃に一瞥もくれずに払い除けた拾和さん……最期の銃声の瞬間まで一切目線を下ろさず真っ直ぐ前を見てた拾和さん………………。

拾和さんほんとうに良かったし大好きになっちゃったよ。小西さんまじでめちゃくちゃいい声だな。知ってた。

拾和さん、ちょいちょい首とかネクタイの結び目に手をやるの、あれ絶対幼少期に首輪と鎖で繋がれてたことの名残でしんどい。

あと拾和さん、地味にカラマリキャラでは貴重な一人称「僕」!!!!!
乙女ゲーって大抵は攻略キャラが5~6人くらいで(ときメモとかだともっと多いけど)、一人称が「俺」と「僕」とたまに「私」とかでばらけてるイメージなんですけどカラマリは全員、冴木弓弦も含めて「俺」(「オレ」とか表記の違いはあるけど)なの珍しいなってずっと思ってたんですよね。
Unlimitedでちょっとフラグ立った吉成くんと峰岸さんも「僕」ではないし。

そこに彗星の如く現れた拾和ミツル!!!!
一人称「僕」!!!!!

ぶっちゃけもうこれだけで拾和√作れる可能性を秘めてると思いました。(個人の見解です。)

というか、拾和父CV井上和彦さんとか伊住正先輩(柳さんが拾和さんの話聞きに行った先輩刑事)のCV佐藤拓也さんとかこれもう拾和√ゲームで作ってない??????拾和√で出てくるサブキャラの布陣にしか見えない。頼むぞほんとに。

それから映画カラマリ、拾和さん以外の5人の描写もめちゃくちゃ良くて、

・過去に囚われて引き金を引けない柳愛時
→クライマックスの都庁屋上での一連のシーン 
本当にまじでギリギリのギリギリまで撃てない柳さんめちゃくちゃ良かった。
肝心なところで人間くさい柳さんがとても好きなので、拾和さんに向けた銃を持つ手がずっと震えてるの見られて嬉しかったなあここ。

・価値のある死を望む岡崎契
→白石さんとの会話シーン
「俺が守るべき、価値のある人のはずだから」
ハイ来た。守るべき価値のある人間を守って死にたい前向きな死にたがり。その片鱗がこの一言に見え隠れ。

・犯罪を犯した理由を知りたがる榎本峰雄
ドライブレコーダー映像調べてるシーン
「悪人が罪を犯した理由を俺は知らなきゃいけない」
あ~~~もうこれ確実に藤井先輩の事考えてるなってすぐわかる描写、天才だ~~~~!!!

・母親を銃殺された過去から銃を憎んでいる笹塚尊
→峰雄と同じシーン
「どんな事情があろうとただの人殺し。よりによって銃を利用したクソ野郎」
そもそも笹塚尊がX-Day事件を追うのは新宿に銃刀法を復活させるためなので、その笹塚の信念をほのめかす描写があって嬉しくなったシーン。

・最後の最後で御國れいとのつながりを示唆する白石景之
→後編ED後の拾和父の病室でれいが持ってる「カラマーゾフの兄弟」には白石さんが使ってた猫の栞が挟まってる。

これ後編初見のとき拾和さんが殺された衝撃を引きずってたのと「あ~~やっぱ結局拾和父は殺すのか……」って部分に気を取られて気づかなかったんですけど、わざわざ持ってる本をアップにして映したのなんでだ?って思って二回目以降観に行った時によく見なおしたら黄色い栞堂々と映っててビビった。

そうだよね原作知らない人映画の内容だけだと白石さんがアドニス側なの分かんないもんな……ここで白石さんが御國れいとつながりがあることを匂わせるのシンプルに構成が上手い……となった。

こうやって攻略キャラ5人の抱えているものをすべてを突っ込んできた後編、ほんとすごかったですよね映画カラマリ。

あと冴木弓弦。
前編の時点でゼロであることはもう明かされていたけど、今回の事件ではゼロとして表立ってなにか動いてた訳では無い。

でも、後編のラストで拾和父を殺したの、「アドニスのゼロとして悪意や哀しみを生むものに裁きを下した」というよりも(もちろんその理由もあっただろうけど)「『ゆづる』として拾和ミツルの哀しみを受け取ってその想いに応えた」ように見えました。私には。

拾和さん、今回の映画において色んな役割を持ってる人だと思ってるんですけど、一番大きな役割って多分あれですよね、「映画のストーリーと柳愛時にとっての冴木弓弦ポジション」ぽいですよねこの人。

哀しみを消そうとしてたのも、柳さんに対する「犯人に銃を向けられたら迷わず撃てるか」(守るために撃てるか)という問いも、全部原作では冴木が主人公に向けてやってたことなので、拾和さんて柳さんから見て「主人公にとっての冴木弓弦」と同じ場所に立ってる人のような気がする。(私が勝手にそう思ってるだけです)

わたし原作柳√で逮捕された時の冴木が「どんなに苦しくても哀しみを背負って生きていかなければという考え方はそれが出来る強い人の理論であって、こんな世界では生きてられない弱者もいる」(要約)っていう話を柳さんにするシーンがすごい好きなんですよね。ほんとこれド正論だと思うので。

だから、柳さんの胸ぐら掴んで「誰もかもが君と同じじゃないんだよ」「僕はね、君とは違うんだ」って言った拾和さんに私は冴木弓弦の顔が被ってしまってしんどくなりましたね〜~〜〜ここ。

だからと言って柳さんの言葉が間違っているとも思わないです。苦しみ、悲しみに何度ぶつかったとしても、結局は何とか立ち直って生きていかなきゃいけないし。どっちも正しい。だから難しい。

拾和さんのもう一つの役割は多分「星野市香の理解者」かな……。

拾和さん、「アドニスなので星野市香の首輪と置かれている状況を知っていて、親子関係が悪く子供の頃に父から鎖付きの首輪をつけられていた」から恐らく作中の誰よりも今の星野市香に共感と理解と同情ができる人間として描かれてる感じがする。自分も同じような目に遭っているから。

それを如実に表す「……可哀想に。どうしてこんなことをするんだろうね」の台詞めちゃくちゃ好きです。「こんなこと」ってのは首輪のことですよねこれ。


あとは単純に、「アドニスの執行者」の役割もあるだろうな〜~〜〜拾和さん。原作に出てくるアドニスの執行者は9人で、拾和さんは10人目。「拾和」の「拾」は数字の10だし。

そういえば、カラマリってメインキャラにモチーフとして数学記号が割り振られてて、みんなそれがネクタイピンになってるんですけど(白石さんだけは白衣の左胸当たり)

柳愛時→=
岡崎契→×
榎本峰雄→+
笹塚尊→-
白石景之→÷

主人公(星野市香)→∞

今回ここに、

拾和ミツル→Σ(シグマ)

が追加された。(描き下ろしチケットホルダーから判断)
で、このΣって、あー……うん高校数学でお見掛けしましたかね……???くらいの記憶しか残ってなかったので改めて調べました。(マジで学生時代数学が何よりもダメだった人間)

Σ(シグマ)記号はギリシャ文字の1つで、現代のアルファベットの「S」に当たる。

この時点で、「拾和」のイニシャルSだからΣなのかな?って思ったんですけど、数学における「Σ」は総和(summation)記号で、与えられた数字の全てを加算することを意味しているって続いてたのでこれじゃん!!!てなった。

つまり「拾和」のイニシャルSだからΣなんじゃなくて、
「Σ」→総和→そうわ→そわ
「そ」に「10」の漢字「拾」を当てて「拾和」
だったってことじゃないですか????

しかもこれ、∑の向きを変えるとミツルのMになるんですよね……いやどう足掻いても天才では????名づけ方までかっこいいなすげえよ。

すばらしきこのせかいの干支、新すばらしきこのせかい花札みたいな名づけルールすごい面白くて大好きなので、こういうの楽しい。

でも拾和さんベスト着てたからネクタイピンがどうなってたのかは分かんなかったですね。個人的には結び目のとこの赤い石のついた飾りがそれなのかな?と思ったけど別にあれ∑の形じゃないしな……。もっとよく見ればどこかにあるのかもしれない。

あと、ずっと気になってることがあるんですけど最後のタイシファイブのミブロ丸の鳴き声CV誰!!!?!?笑

タイシファイブ自体は新撰組モチーフの戦隊モノで

トシレッド→土方歳三 CV斉藤壮馬さん
ソウシブルー→沖田総司 CV森田さん
イサミブラック→近藤勇 CV梶さん
グリーン CV浪川さん
イエロー CV木村良平さん

だと思うんですけど、この流れだとミブロ丸もしかして小西さんだったりしない???笑笑

小西さん、アニポケ無印の頃ポケモンの鳴き声でめちゃくちゃ名前見ててそういうの上手いんじゃないかなって勝手なイメージがあるので、なんか……そんな気がして……(笑)

柳さん

みんな大好き柳さん。
原作でも散々お父さんいじりされてましたけど、映画だともはやお父さん通り越してお母さんじゃなかったですか???前編冒頭の喧嘩仲裁した後の朝ごはんのシーンとか。笑

柳さんのことはここまでで結構書いてしまったのと、この後の音楽の話で好きなシーンの話はしているので、それ以外の好きなとこをバーッと羅列していく感じになっちゃうんですけど、とにかくまず柳さんどこを切り取っても作画が良くて驚いた。いや作画は他のみんなもいいんですけど、わたしは柳さんが一番好きなのでどうしても柳さんに目が行ってしまう……。

ていうか、OP映像で「劇場版Collar×Malice -deep cover-」ってロゴが出た後、ガラスの破片に順番にみんなの顔が映るところの柳さんどうしてあんな悪人面してんの!!?びっくりしたよ!!!笑

柳さんの悪い顔めっっっちゃいい大好きああいう顔もっとして欲しい。
公式Twitterで劇場版OPのノンクレジット映像が公開されているので是非一時停止して見てみてください。柳さんメッッッチャ悪い顔してて最高なので。

あとOPだと、終盤の傘さしてるカットとか拾和さんと背中合わせのとことかも好き。背中合わせのところ、上を見てるのが拾和さんで下を見てるのが柳さんなの……なんかこう……実際の彼らの心持ちとかは逆の部分もあるような気がするので……つらい……。

それからこれは柳さんというよりも演じられた森田さんの話なんですけど、おそらくこれが今回の映画カラマリ絡みの話で一番私に刺さっている話なので残しておきますね!!!!!

動揺しすぎて誤字ってるのに今気づきました。
「撮り直す」じゃなくて「録り直す」ですねここ。

これ、前提として「ゲームの収録のときにも調子が良くなくて、一度録ったものを全部捨てて録り直しさせてもらった」(要約)っていうエピソードがあって(ゲーム公式サイトのキャストコメントに載ってたはずです)、それを踏まえて今回の映画では……っていう話でした。

で、このエピソード聞いた後マジで体調を崩した。ぶっ刺さりすぎて。

自分でもびっくりした。
森田さんの声を聴いたりソシャゲのCV森田さんキャラの新情報が出たりとかで体調バグって食欲失せたりすること自体は割とよくあることなんですけど、あそこまで明確に体調がおかしくなったのは初めてで、よっぽどだったんでしょうね。何だったんだろうあれは……笑

ちなみに原作ゲームでの柳さんの好きなシーンは、ゼロエンドのスチルの後ろの方に柳さんの死体が当たり前のように映ってるとこです。

断じて「柳さんが死んだのが嬉しい」って意味ではなくて、なんか柳さんって「この人がいれば大抵のことは何とかなる」みたいな印象が強いというか、実質カラマリの主人公みたいな人なので、そんな柳さんでも死ぬときはこんなあっさり死ぬし普通の人なんだ……みたいな妙な感動……感動?というか後ろめたい感慨深さがあって好き。

まあこれ以外でも白石さんの悲恋エンドとかUnlimitedのアドニス√みたいに、主人公がアドニスの執行者側に行く展開だと割と柳さん死んでるというか殺されてること多いんですけど、その事実が「柳愛時は折れない・負けない・死なない絶対的なヒーローではない」という事を実感させてくれるから好きなのかも。

同じ理由で柳さんが裏社会入りする悲恋エンドの後日談も超好きです。闇堕ちすらこなせる柳さんこんなとこでまで万能っぷり発揮しなくてもいいのにと思ったけどやっぱりだめだ闇堕ち柳さんめちゃくちゃ好きですありがとう。
そもそもカラマリを最初に知った時に「柳さんメインぽいけどこれで最終的に柳さんが黒幕だったらめっちゃアガるな!!!!」とか考えてた私のような人間には刺さりすぎる後日談だった。

でもそれ以上に一番柳√で好きなのは、アドニスを止められずX-Dayが果たされた新宿で主人公柳さん(と弟の香月)を自宅に監禁するバッドエンドです。柳さんをこの場所で守るために、手足を撃ち抜いて自由を奪ってでも外に出さない、って柳さんに銃を向けるのだーいすき。

「守るために犯罪者を撃てるか」というテーマに対して「守りたい人を確実に守り抜くために、その守りたい人を撃つことさえ厭わない」という着地のバッドエンド、ほんとうに美しくて良い。

それに対する柳さんの答えがか細い声の「……お前が望むなら、そばにいる。ずっと……ずっと、だ」からの「俺は、お前の心を守れなかった……」なのもとことん薄暗くて大好き。正直このバッドエンドの続きが一番見たい。

岡崎

神出鬼没の域を軽く超えてましたね。
この人……ついに瞬間移動まで……笑

前編の冒頭、事務所に不法侵入してきて「最近は柳さんたちに信用してもらえるようになったのが嬉しい」って話した後ずっと柳さんの肩に手置いてるのめっちゃすき。その手何(笑)(笑)

原作同様、己の役割を果たすことに忠実なのがしっかり描写されてて良かった。

後編の雨の中の「俺はこれまで通り、市香ちゃんの事を守るよ。約束する」の「約束する」のとこの作画良すぎて大好き。映画の岡崎契のシーンでここ一番好きな顔だった。

あと後編で都庁に向かう時にバイクの男に襲われるシーン、車から降りて即飛び蹴りかましててヒュウ〜~〜!!ってなった。
流石原作戦闘力最強の男

あと映画の内容関係ないけど特典のチケットホルダーがマジで何回もらっても岡崎契だった時期があってそれが若干トラウマです。笑

原作岡崎√で一番好きなのは……やっぱり悲恋エンドかなあ。
後日談小冊子でゼロを返り討ちにした後に、「ああもう全部心臓でいいや」ってもうとっくに死んでるゼロの心臓に全弾撃ち込むとこいいですよね。一切の救いが排除されてて。

峰雄

いやあの出血量の怪我は自然治癒せんだろ!!!!笑

すみませんツッコまずにはいられませんでした。
だってあれ爆発に巻き込まれた怪我で火傷じゃなくて出血ってことは破片かなんかが刺さったってことでしょ……救急車レベルの怪我だよなんでちょっと寝ただけで動けるまで回復してんの。早く病院行って。笑

原作での峰雄はずっとX-Day事件に向き合えず捜査をさぼったりしてましたけど、さすがに今回はちゃんとやってましたね!!笑
それがなぜなのかっていう部分には後日談小冊子できっちり尊が触れていたのも良かった。

原作同様にムードメーカーの役割も果たしつつ、彼が他人の感情の機微に敏感なところ(柳さんが「拾和」の名前に反応したことを言及したり)とかの描写もちゃんとあって嬉しかったなあ。

おばあさんが落としたゆず?柑橘系の果物?を拾ってあげる時に自分の上着で拭いてから返すとこ好き。拾和さんが事務所に来た時のやりとりで尊が峰雄にぶん投げた像がきっちり伊達政宗の騎馬像なところとかも細かい……(笑)

原作峰雄√で一番好きなのも……うーんやっぱり悲恋エンドかなあ。
峰雄√は主人公サイドの信念と、このルートのラスボスである執行者の緒方の信念との真正面からのぶつかり合いみたいな物語なので、それを最悪な形で壊してしまうやるせなさ。

ただ、この悲恋エンドだけは他の4人の悲恋エンドと違って後日談でちょっと光が見えそうなところがすごく峰雄らしくて好きなんですよね。本当にいい男だと思う。幸せになってほしい。

笹塚

前編後編合わせて、本当に一歩も事務所の外に出なかった男。それどころか立ってるシーンすらほぼ無かったという……(笑)

彼の場合はそもそもが後方支援役ということもあり、市香との絡みというか会話が比較的少なかった……ような気がするんですけど、前編も後編も、市香が差し入れたドーナツの袋をじっと見ている時は彼女の身を案じているんだろうな……ってわかる描写すごく良かったですよね。

それから前編冒頭の朝ごはんのシーン、味噌汁飲むときに口もとが笑ってんの好き。柳さんの作る朝ごはん、めっちゃ美味しいんでしょうね……。いいなあ食べてみたいなあ。

あと地味に後編で拾和さんが事務所に戻って来なかった時に岡崎が突然現れてみんながびっくりする所で、あの柳さんですら汗が描かれていたのに笹塚尊は一切驚かずすぐモニターに視線を戻していて笑っちゃった。マジかあんた。凄いな。

原作笹塚√の一番好きなところは、笹塚がアドニスの手を取ってしまい、笹塚だと分かるボイスチェンジャーの声で「X-Dayをお知らせします」が聴けるバッドエンド。あと笹塚の目の前で相田に撃たれて主人公が死ぬバッドエンドも好き。

笹塚の悲恋エンドもかなり好きです。
ゲーム内の描写のみだと他の悲恋より暗くなくてあっさりしてる。が、後日談で笹塚が主人公への想いを残したままアドニス入りすることが示唆されていて、主人公が真っ向からそれに立ち向かうと決意する話なので。ある意味ではこのバッドエンドルートが一番笹塚尊と対等になれる気がする。めっちゃ好き。

白石さん

原作ほど誰かをからかったり怒らせたりする変人描写はほぼ無くて、きちんと事件の捜査というか仕事してましたね!笑(それをやるには尺が多分足りないんだろうな……。)

私、原作での白石さんがテキストの句点を無視した喋り方するのめちゃくちゃ好きなんですが、映画はテキストがないのであの喋り方じゃなかったのが逆に新鮮で良かったなあ。
(原作白石さんは「〇〇〇〇、××××。□□□、」ってテキストだと「〇〇〇〇、××××□□□、」って喋る)

後編エンディング直前の一枚絵のとこで一番の笑顔なのが白石さんなの超好き。本人に自覚があるかどうかはともかく、やっぱりあの事務所彼にとって居心地がいいんでしょうね……。

原作白石√で一番好きなところ?そりゃあもうお察しの通り悲恋エンドです!!!!!!
白石景之(CV木村良平さん)から(CV木村良平さん)の部分を奪うの、バッドエンドの作り方として天才的だと思った。マジで。

大丈夫ですこの悲恋エンドは後日談にさえ一片の救いもありません。諦めて。

……と言おうと思ったけど、あの後日談は主人公にとって何よりも救済だったんですよねきっと。だから笑ったんでしょうし。

あ、あと、これ映画でもゲームの内容でもなくてアレなんですが、私原作の公式サイトに載ってる木村良平さんのキャストコメントがマジでめちゃくちゃに好きです。

コメントの最後に「彼(白石景之)を救ってやってください」って書いてあって、救……え???ってなってたのが白石√やると「あ~~~~"救う"ってこういう、うわ、うわあ~~~~~~」ってなったやつ。ほんとキャストコメントで伏線張っていった声優さん初めて見ましたよ。

「彼を救ってやってください」の意味が分かったあの時のあの感覚、ずっと忘れられない。

映像とか作画とか

めっっっっちゃ良かった。
新宿の街並みとか背景とか超綺麗だったし、作画全然崩れないのすっげ~~~~~!!!!!ってなってた。

というか、AMNESIAがアニメ化した時も思ったんですけど花邑先生のイラストをアニメにして動かすのめっちゃ難易度高くないです?????笑
特に瞳の色合いとか絶対大変だっただろうな~~~って思うんですけど、違和感なくアニメに落とし込まれててプロって……すごいな……と思った。

あとやっぱ前説の始まり方がゲームのスタート画面でSEもおんなじだとか、映画内の日付の演出がゲームと同じなのとか、そういうの大好きなので本当に観てて楽しかった。

前編の冒頭で星野市香がカラマリのざっくりしたあらすじを説明してくれるパートとかも、攻略対象たちの名前が出るところのポーズや英語の文章が「パッケージの原作イラストとか人物紹介のページに載ってる台詞から持ってきてる!!!!!」ってなったのもすっごい良かった。

原作やってた人にはわかる小ネタの宝庫。
オタクはそういうのが大好物です本当にありがとうございました。

音楽(音響)

映画カラマリ、声も主題歌も劇伴も音も何もかもがマジで良い。超好き。

映画館の最強音響で柳さん(というか森田さん)の声聴けるの本っ当に良い。ありがとう映画カラマリ。私は8割くらい柳さんの声を全身で浴びたい欲を満たすために映画館に通っています。というかなんかもう後編周回しすぎてところどころセリフ諳んじられるようになってきた。笑

そもそも私が声、音楽、音っていう聴覚から得られる情報に重きを置きがちっていう自分の性質も大いにあるんですけど、にしたって映画カラマリ本当にありとあらゆる音がいい。

まず主題歌。
映画に通ううち、映画館の音響でキズさんのOP「人間×失格」のイントロにバーン!!!てぶん殴られるのがだんだん癖になってきました。好きです。

で、「人間×失格」も「眠らない街」も「十八」も全部買った。移動中とかに聴いてるけどほんと良い。テンション上がる。

前編EDの「眠らない街」も後編EDの「十八」も好きなんですけど、これ……なんていうか歌詞が……めちゃくちゃ拾和さんじゃないですか……???特に後者。

曲名も「眠らない街」ってまんま新宿の事だよなあとか、「十八」の「10」=「拾」、「八」=語呂合わせで「は」→「くっつきの"は"」→「わ」で「そわ」になるのかなあとか、解釈がいろいろできてたのしい。

あと、キズさんの楽曲を拝見していたら「十九」や「十七」っていう楽曲があったので、「十八」も連作のうちの一つでダブルミーニングになってたりなのかなあ、とか。

歌詞も「眠らない街」の「あゝ 神様とかどうやら僕にだけ見えない」は「神がなければすべてが許される」を思い出すし、「十八」の「ああなりたくないから、温もりを」「ああなりたくないから、優しさを」は父親のようにはなりたくない、なのかなあとか……。

そして何より「十八」の

次は僕を見てほしい
脆いのはわかっている?
その瞳には映らない
僕は弱さを飲み込んで

ラストここの破壊力というか畳み掛けがすごい。

なんか私ちょっと、「カラマリのこと全部好きだけどでも中でも一番好きなのキャラソンかもしれん」みたいなとこあるんですけど、後編観てから拾和さんのキャラソン欲しくて欲しくてしょうがなくなってどうにかなんない!!?!?!?って思ってたんですが、いやもうこんなの、これが拾和ミツルのキャラソンだったな……。

次、音。
後編、冒頭の拾和さんの幼少期回想からOPを経てしばらく雨が降っているシーンが続くんですけど、いやもう、雨の音めちゃくちゃ良……!!!

ていうか白黒映画みたいな拾和さんの幼少期回想最高すぎてなにあれ……大好き……。舞台挨拶でキャストさんたちがみんな「あそこすごい!!好き!!」って言ってたけど「分かる~~~~~!!!!」になった。センス爆発してる。マジでよかったあそこ。柳さんは夜明け属性の男だけど拾和さん全体的に雨属性の男で好き。

で、事務所で笹塚が拾和さんに新・新宿プランの資料突きつけてから拾和さんが次に口を開くまで(「笹塚くんだっけ?君の覚悟に免じてリクエストに応えよう」のところ)の沈黙の間、雨の音だけが聞こえてるのとかほんとすき。

あと好きな音あれです、柳さんと拾和さんの屋上のシーン。
5年前の警察署の屋上シーンも現在の事務所屋上シーンもどっちも好き。街の喧騒というか、そういう環境の音めちゃめちゃリアル。最高。

なのに拾和さんの「僕はね、君とは違うんだ」のとこで拾和さんの声以外の音が一切合切消えるんですよ……ここの演出大好き……。

あとこの屋上シーン、過去と現在で全てが対比になってるの天才で超好き。

過去はまだ空に明るさが残っているけど、現在は夜。
過去は夏で、現在は冬。
警察官だった柳さんと、そうじゃない柳さん。
自分の正義を貫くために足掻いていた拾和さんと、悪によって悪を裁くことを決めた拾和さん。

映画カラマリで一番好きなの、割とマジでこのふたつの屋上シーンかもしれない。
5年前の、今よりちょっと若い柳さんの声いいですよね……。声にまだ若さというか青さというか、そういう粗削りな部分が残ってる感じが……。拾和さん来た時の「あ、ハイ!」って慌てて煙草消す時の声ほんと好き。

で、劇伴!!
これほんと、原作の雰囲気も持ちつつ映画をきっちり盛り上げてくれて、聴いてて鳥肌立つくらい良かった。良すぎてサントラ買った。

あの、劇伴まじで凄いんですよ。
クライマックスの都庁のシーンで、柳さんの「俺たちはみんな、何かに打ちのめされて、臆病で弱い自分と向き合わされている」ってセリフのとこからかかる曲が「Heavy Trigger」っていう曲なんですけど(タイトルの時点で最高)、これ柳さんが喋ってる所はチェンバロが主旋律でアコースティックギターの音がそれを支えてて、拾和さんが柳さんの言葉に答えるところはアコースティックギターが静かに鳴っていて、最後市香が話し始めるところからヴァイオリンとピアノが舞台に上がってくるんですよ。

そのとき話しているキャラごとに主役の楽器が違うの本当にすごいサイコ~~~~すぎる……。

あの、カラマリってこういうの前にもあって(私がそう解釈しているってだけなんですけど)、それ超好きなのでついでに話すんですけど、笹塚尊のキャラソン「Last Answer」、装飾の無い必要最低限の楽器で構成された前奏が始まる時点でウワめちゃくちゃ笹塚尊だ〜~!!?!?ってなってるとこに二番前の間奏から突然不協和音気味に寄り添うようにピアノが聴こえてくるんです。あのピアノ絶対絶対主人公なのでやばい。大好き天才すぎる。

あっでもカラマリのキャラソン一番好きなのは無論柳さんのです。
悪しからず。

だってあんなんもう「True dawn」って曲名から天才だし昏い夜更けみたいな静けさの落ちサビからラストの大サビで夜明けを表すように前に出てきて高い場所で鳴り始めるヴァイオリンがもう もう!!!!しかもここのヴァイオリン、二番サビのときに鳴ってた音よりも音階が高くなってるので盛り上がりが最高潮になる。夜明け属性の男にめちゃくちゃ弱いので本当に好きすぎ……あと柳さん(森田さん)の歌声が良すぎ……大好き……。

で、さっきちょろっと「カラマリのこと全部好きだけどでも中でも一番好きなのキャラソンかもしれん」みたいなとこあるみたいな話をしましたけど、これなにがやばいってVita版Unlimitedのベストエンドトロフィーの名前が各キャラソンの曲名になってるんですよ……もうこれマジで死ぬほど好きで……本当に好きで……。

Unlimited、まず真っ先に柳√やったけどベストエンドのトロフィー名見た瞬間にすべてを察した。

柳愛時:True dawn
岡崎契:My Precious
榎本峰雄:Only Your Hero
笹塚尊:Last Answer
白石景之:Little Love Song

「待っっっってこれ全員ベストエンドトロフィーの名前キャラソンのタイトルのやつ!!?!?!?!?!え~~~~~~っ好き…………」ってなった。カラマリにはこれで本当にとどめ刺された感あります。ド天才……。

閑話休題
最後の方話がだいぶ脱線してキャラソンに寄ってしまってましたけど、とにかく原作も映画もカラマリ周りの音楽はマジでめちゃくちゃいいぞ!!!!!!て話でした。本当に、とても良かった。

終わりに

……とまあこんな感じでかなり長々といろいろ書きましたけど、これ書いてて「あれっ私自分で思ってた以上にCollar×Maliceのこと好きだな……?」という気付きを得ました。KHやすばせかに触れてるときほど分かりやすく狂ってる感覚が無かったので、こんなにカラマリ好きなの無自覚でしたね……。

でもよくよく考えてみれば、森田さんがカラマリと数乱で初めて出演された年からなんだかんだで毎年オトパ行ってるし、そういえば単独イベも行ってるし……うん、そこそこ重めのファンだったようです。

世界観や各ルートで触れる事件のミステリー・サスペンスの部分がかなりしっかりしていて、かつ扱うテーマも結構重いから乙女ゲーなのにあんまり恋愛面が前に出てこないのが肌に合ってたんだろうなあ。

というか、恋人関係になってからの本編後日談を描いたデロデロに甘い内容のFDの限定版の特典に「悲恋エンド後日談小冊子」なんてもんをつけてくるカラマリ製作陣のことを本当に本当に心の底から信頼しているのも大きいです多分。めちゃくちゃ趣味が合う。救いのないバッドエンドもっといっぱい見たい。

今回の映画に関しても、後編の最後の舞台挨拶の時にもらった特典メッセージカードが柳さんだったこととか


平日の普通に仕事ある日の朝と夜に映画観たら目覚まし時計が引けたりとか
後々思い返したときに「あ~~好きな作品にいっぱい触れられてすごく充実してたな~~!!」って幸せな気持ちになれる思い出がたくさんできてうれしい。

というわけで劇場版Collar×Malice -deep cover-、最高の作品でした!!!
アニメ化してくれてありがとう。
拾和ミツルルートずっとずっと待ってますからね!!!